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建築日記

ポルトガル建築6

今日はもう一人の気になる建築家、日本語名はエジュアルド・ソウト・デ・モウラ(Eduardo Souto de Moura)の建築です。彼は一時前回までご紹介したアルベロ・シザの事務所にいたことがある、今年60になる建築家です。やはりミニマルなモダンな建築家というよりかなりミース・ファン・デル・ローエから影響を受けていると思います。彼の作品は残念ながらひとつも見ていませんので、紹介するのは難しいですが、私なりに感じたところをお話したいと考えております。
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まずこのプランを見てください。家の周りいわゆる外部空間が敷地いっぱい使われています。日本の場合は建物の周りが庭になっており、明快に外部と建築とがはっきりしていますが、この場合はこの境界が曖昧です。意識しているのでしょうか?植栽等一切書き込まれていませんおでますますわかりません。これが彼が描いていることですね。つまり外部と内部の境をとり家を大きく見せることです。ビジュアル的にではなく実利的に大きく使うことです。
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# by 3tsuda | 2012-05-23 10:12

ポルトガル建築5

今日もアルベロ・シザ最近作で非常に気に入っている作品を紹介します。残念ながらまだ実際に見ていません。是非行きたいのですが?これは同じポルトガル圏のブラジルの南部ポルト・アレグロにある美術館です。コンクリート打ち放しのもので個人的に非常に気に入っています。何これという方がいるかと思いますが?
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今まで美術館は色いろ見てきたと思いますがその中でも実に得意なモノに入りますが実際に見てみたい気持ちに駆られます。とう申しますのはきっと形は奇異とは思いますがきっとこの場所に馴染でいるからでしょう。彼の作品は前にも申したとおり、形を作っていく場合、周りの状況を読むこと、つまり文脈を読むことから入りますので、しっくりなじむと考えます。この建物の場合はこの建物の置かれた敷地というより環境は写真にあるとおり川沿いにあり崖に挟まれた格好です。そんなところから出てきた発想が波をイメージして作ったと言われていますが、これとは全く違う無骨な手が特徴になっています。なんと表現したら良いかわかりませんが、打ち放しのアームにがんじがらめになった人間というべきでしょうか?そこには悲惨な形があるように見えますが、一点エロチックなブラジル美女にも見えます。これを最初写真で見たときアントニオ・ガウディのカサミラを思い出しました。日本では考えられない造形がバルセロナでは実に馴染んでいました。街に溶け込んでいました。
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これら写真すごいでしょ!美しいと感じるのは私だけとは思いません。決して新しい言語ではないのですよ!でもできる空間は普通ではない。でも材料は普通。この辺が実にタイムリーと考えます。一概には言えませんが、坪単価を増やすのは実に簡単ですが、素晴らしい空間を作ることにはつながりません。会にも建築を履き間違えている人がいますが、本物の建築は材料は実に簡素です。そこには空間があるからです。住宅も同じです。材料は普通であるべきです。工法も普通で結構です。しかし出来るものが、施主にとり融通無碍のものならばそれが一番と考えます。



# by 3tsuda | 2012-05-19 10:55

ポルトガル建築4

今日もシザの建築を紹介したいと思います。
このようにある建築家の紹介をしているとやはりその中に自分の好みがやはり入ってくるわけで知らないうちにいま自分が興味を持っていることにつながっていきます。これから紹介する建築はみようによっては倉庫と見間違える?普通かもしれませんが、いややはり普通ではないのです。素晴らしい一言です。このように使用する言語は普通ですが結果はすこぶる普通ではない。ここになんども言うわけですが可能性が横たわっています。
今日は彼の代表作のサンタマリア教会をお見せしましょう。
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これでも教会です。中に入ると教会がわかりますが、外見は下手をすると倉庫にみえますが何か違います。コーナーをくり抜くカーブが対称にあり何か違うと予想できます。それから開口部が限定されていることに気づき、倉庫とはかなり違うことがだんだんと分かってきます。入口になると高さ10メートルのドアがあるだけですがこれにド肝を抜かれます。我々は建築をやっているものですのでどうしてこんな大きなドアが成り立つのか考えてしまいます。丁番を沢山付ければ良いのですがうまく行くのかを考えてしまいがちです。こんな大きなドアが機能出来るのか?そして中に入ると身廊が祭壇まで伸びています。ヨーロッパの協会を見た方ならみなさんお分かりと思いますが、教会の内部はおおかた対称形が圧倒的です。まずこの観念を崩しています。一方は垂直の壁で直線座ると外を見ることができる横長のスリット窓反対の壁は局面で出来ており光はトップサイドから入ります。この空間に置けるそれぞれのスケールが実に面白く垂直性を感じます。この垂直性はドアの高さにも関係してるのでしょうが、人間を超えた大男がこの教会に住んでいることを感じさせます。
とにかくスケールも全て違うのです。近代の我々が大学で学んだ形態言語を使っていて異質な空間ができるのです。奇形な形を追い求める必要がありません。近代建築はともすると地域からの乖離や建築伝統の否定という側面が出てきますが、彼の建物は見事に風土に調和して独創性を十分発揮しています。このへんに彼の建築に惹かれる何かがあるように思います。今の時代は特殊な材料を用いて一品生産をするのもひとつの方法というより昔ながらの方法と考えます。家づくりの会でもそのようなスタイルの行っている人がいますが、何か古臭さを感じてしまいます。それから作家性を追求して奇想な建築を作るのも同じくふるさを感じてしまします。一番は安価な材料を使い、普通の形態言語を使い、建築を設計する姿勢が良いと考えます。ここで重要な位置を占めるのがやはりコンセプトではないかと考えます。次回にこのへんのことをいれお話したいと思います。



# by 3tsuda | 2012-05-18 11:27

ポルトガル建築3

今度はシザの中で特に私が好きな銀行ボルゲス銀行を紹介します。(発音は不確かです。Banco Borges and Irmao)最初の写真は銀行の立ち位置つまりロケーションを写しています。周りは古い建物がいっぱいあるヨーロッパでは普通の街並みです。ここに突如キュービックなしかもモダンな白い建物が現れます。
一見その置かれた文脈を壊すように思われますが、私は壊しているようには見えません。スケールも適切ですし何といっても、都市計画上の配慮つまり2つのレベルの違う広場を結ぶしつらえが建物の外とうちに作られていることである。
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銀行のもつ公共性と都市における文脈をうまく解決した例であると思う。この辺が近代建築の言語を使い既存の文脈に入り、全く違和感がない秀作と考える。



# by 3tsuda | 2012-05-17 11:13

ポルトガル建築2

今日も引き続きポルトガル建築を考えていこうと思う。
シザが1971年〜74年にかけて建てたピント銀行があります。下図参照
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この銀行は角地にあるわけですが、彼はどのように銀行を座らせたらよいかを考えた挙句、考え出されたのがおびただしい数の曲線です。すべての曲線がそれぞれ関連を持ちながらハーモニーを奏でる、この図面を見ていると絵画を見ているようで実に美しいです。そして出来た銀行が下の写真です。格好いいでしょう!ここに言葉では説明できないものがありますね?
そして月並みですが、ここに近代デザインの可能性が今だ深く横たわっています。



# by 3tsuda | 2012-05-14 17:55

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