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建築日記

原発の恐怖

建築家として今回の大震災にたいして何が言えるのであろうか?

・・・最近は原発の問題が危機的状況にあるので仕事が手につかないのです。図書館に行って原発の本を数冊借りてきて読み漁っています。自分が今まで原発のことにまったく無関心であったことが信じられません。こんな重要な問題を日本人として無視してきたことが恥ずかしい限りです。1986年のチェルノブイリ原発事故のとき私はNYで生活をしていて、事務所のボスが炉心がメルトダウンしてチャイナシンドロームを引き起こすソ連をかなり批判をしていたことを記憶しています。当時この意味がもう一つ分かりませんでしたが、人は実際に身近に起きて、初めて分かるものです。何故ここまでして危険な原発を造るのでしょうか?

 日本は原爆を落とされ、放射線による悲劇を体験している国で、そのため非核原則を宣言してきました。放射線の恐ろしさを知っているにもかかわらず何故、原発を作ってきたのでしょうか。・・・私の理解ではやはり、研究者のモラルの問題を逆手に利用した人がいるのではではないかと考えます。とてつもない危険だが莫大なエネルギーを操りたいという欲求、高速増殖炉を作り永遠のエネルギーを獲得したい欲求、それからウランやプルトニウムなどの重金属からではなく、水素やヘリウムなどを使い、永遠の太陽を作りたいという欲求も素直な研究者のそれと考えますが、しかし驚くべきかな、彼らは放射性廃棄物については、あまり関心がなかったと思います。原子炉破壊実験を繰り返し行い、原発が持つ凶暴性を解明してきたにもかかわらず、どのように原子力をコントロールするかに多大なエネルギーをかけ、事故が起きたときどのように対応するのかの方法が以外にもない実態が今回の連日のニュースで分かります。今回のことをすべて想定外と片付けることで、問題を摩り替えているように思われます。というのは原子力損害賠償法が1961年にでき、原発の事故が起きても電力会社が保護されるということです。10年の時限立法で2009年に改定され電力会社は1200億円を払えば責任を取る必要がないという国家プロジェクトとだったのです。こんな法律ができていれば当然責任ある発言は出てこないし、国は国で保証するといってもいずれは国民の税金で払うことになると考えているようで、どこか他人事のようです。
つまり私は今の所、原発は、戦後の高度成長期に潤沢なるエネルギーがほしいと考えた人たちと原子力にトラウマを持った研究者とが結託してできたと理解しています。驚くべきことは原発を作っても縦割りになっているので横断的に物をみて責任を持つ人間が設計の段階にいないようです。地震は地震の専門家原子力ついてはその専門家、放射能についてはその専門家というように縦割りになっており誰も横断的責任がないという組織自体に問題があるようです。
京都大学原子炉実験所の小出助教授は、これら原発の持つ危険性を指摘しつつ、今すべての原発をやめても火力発電ですべての電力がまかなえるので、直ちに原発は停止しろといわれているのですが、
これらの問題をもう少し整理して、原発の続行の是非がいずれまた問題になると思います。それまでに自分の結論をしっかり持ちたいものです。
終わり
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by 3tsuda | 2011-04-22 18:19

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